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用語解説のページ

片端から用語を追加していこうと考えていますが、なにぶん人手不足で、思うように作業は進まないと思います。
しかし、医者に用語で圧倒されてはなりません。患者さんや家族さんも、出来るだけご自分で調べることも試みてみて下さい。(リンク集参考情報もご参考にして下さい。また、以下の用語集ではカバーしきれない基礎的な事項については、別途解説サイトを構築する予定にしています→
医者にまけない知識塾の構築を開始しました)

よろしければ、アドバイスのページも一度ご覧下さい。ご参考になるかも知れません。

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以下本文

『日本語』

あ行

◇アロマターゼ阻害剤 アロマターゼという酵素(閉経期の女性において、エストロゲンが産生される場合に主として働く酵素)を抑える薬のこと。(エストロゲンが乳がんの増殖に必要とされることから、乳がん治療剤として使用される)
◇アンドロゲン抑制療法 
アンドロゲンというホルモンが前立腺がんの成長に必要であることから、アンドロゲンを薬で血中からなくして前立腺がんを治療する方法。
◇異形成 
いったん分化しきった組織が、形や機能の面で、他の組織のように変化する現象。
◇萎縮性胃炎(レベルのペプシノゲン) 
ペプシノゲンは、胃から分泌されるペプシンの前駆体(ペプシノゲンからペプシンへ変化する)である。血液中にはペプシノゲンが2種類(I と II)存在し、萎縮性胃炎になると、ペプシノゲン I の血中濃度そのものと、ペプシノゲン II に対する比率が低下する。このような値になったペプシノゲンのことを、萎縮性胃炎レベルのペプシノゲンと言っている。
◇一般名
 化合物としての名称のことであり、複数の会社から別のブランド名で売られていても、成分が同じなら一般名は同じ。 一般名は、全部小文字で書くことが多い

◇後ろ向き試験 過去に行われた臨床試験のうち、当面の研究目的に条件が合致するものを見出して行う研究のこと(←→前向き試験)
◇エレクトロポレーション法 植物を含めたバイオテクノロジーで広く使われている方法。目的の細胞と遺伝子(が含まれるDNA鎖)を一緒に溶液に入れておき、そこに高電圧をかけると、細胞膜に小さな穴があき、そこから遺伝子が細胞に入っていく。つまりこれを利用して新しい遺伝子を細胞に組込む方法である。
◇エンドポイント 治療や薬物の効果を判定するための尺度のこと。エンドポイントを細分して、生存期間とか生活の質のような本来意味のあるものを真のエンドポイントといい、腫瘍サイズのような、(真のエンドポイントを代用できると一応考えられるもので)短時間で確実に判定できるものを代用エンドポイントという(真のエンドポイントでの判定には時間がかかる場合等に、代用エンドポイントを用いる)。
◇オッズ比 (→相対リスク)

か行

◇化学療法 薬でがんを治療する方法のこと。その薬のことを化学療法剤という。
◇過形成 
或る器官や組織の(全体あるいは一部の)細胞の数が過度に多くなること。生理的(正常)な場合も病理的な場合もある。
◇加速認可 
米国FDAが設定している、命にかかわるような疾患に対する有望な新薬について認められる、新薬認可方法の特例。治療上非常に重要であると認められた新薬は、例えば生存期間の延長といった明確な尺度の代わりに、腫瘍の縮小といった短期間で判定可能な尺度を使用して認可申請することが認められる。従って、認可は暫定的な性質のものであり、通常は、明確なほうの尺度での臨床試験の追加が条件になる。
◇(原)がん遺伝子 
もともと正常細胞にも必ず存在する遺伝子で、原がん遺伝子と呼ばれるものがあり、細胞分裂にとって重要な役割を果たしている。しかし、原がん遺伝子が変異するとがん遺伝子になることがあり、これが、がん発生の原因となることがある。
◇寛解 
必ずしも治癒はしていないが、病状が治まっている状態
◇完全寛解 
腫瘍が完全に消失し、腫瘍に関連していた異常が全て正常化して4週間以上が経過している状態
◇がん抑制遺伝子 
いろいろなメカニズムにより、がんの発生を阻止する遺伝子。従って、がん抑制遺伝子の変異(働かなくなること)によってもがん発生のリスクが高まる。(詳細→医学の知識塾
◇逆転写酵素 
RNAの情報をもとにしてDNAを合成する酵素。(通常の方向は、DNAの情報からRNAが合成されるのであるから、「逆」と言われる)
◇強化療法(consolidation療法) 
治療により寛解に達することができた後、この状態を確実にするために追加される治療のこと。
◇凝固壊死治療(thermal ablation) 
腫瘍に針を刺し、この針からラジオ波(ラジオに使用する周波数帯の電波)を放出し、腫瘍細胞を焼き殺す方法。超小型の電子レンジと同じ原理。
◇強度変調放射線治療(IMRT) 
3D-CRTのより進歩した技術。装置を回転させつつ、患部だけに強力な放射線があたるように、角度によって違う強度の放射線をあてる方法。
◇近接照射療法 
がんの内部或いは近くに小さな放射線源を埋め込み、そこからの放射線でがんを攻撃する治療法組織内小線源治療とも呼ばれる。
◇グリーソンスコア 
前立腺がんの”悪性度”を 2から 10までのどれかの数値で表したもの。この数値が大きいがん細胞ほど、正常細胞との形態や機能の差が大きく、正常細胞と異なった行動をすると考えられる。スコアの決定は、がん組織を顕微鏡で観察したり、生化学検査をすることで、行う。
◇グレード 
がんの攻撃性(成長の早さなど)を表現する言い方。がんの個々の細胞の性質を表すもので、がんのサイズや拡大の程度(ステージ)とは直接の関係はない。(ステージが進んでいてもグレードが低いといった場合もある)
◇経口(投与) 
薬を口から飲む(そして胃腸から吸収させる)こと
◇血小板 血液を固まらせる働きを持つ血球 従って、不足すると出血しやすくなる。
◇血糖指数(Glycemic Index=GI) 各食物について、その食物が血糖値を上昇させる速さをブドウ糖と比較した数値。この数値が高いほど、その食物を食べると直ぐに血糖値が上昇することを意味している。
◇血糖負荷(Glycemic Load=GL) 上記の血糖指数が、各食物が血液中の糖に変換される速さだけを示しているのに対し、血糖負荷は、或る食物を一人前食べた場合、それが血糖価上昇の意味では、どれだけの量のブドウ糖を摂取したことになるのかを示す数値。
◇ケモラジ 医者が使う略語。化学療法剤と放射線とを同時に実施する治療方法
◇光学力学療法 => photodynamic therapy
◇抗**剤
 メカニズムはいろいろあるが、結果としては全て同じ意味で、**のはたらきを抑える薬。例えば、抗アンドロゲン剤とは、アンドロゲンというホルモンの働きを抑える薬のこと。
◇抗酸化剤 がんが発生する一因は、細胞内の活性酸素によりDNAが障害されるためであるという説がある。活性酸素の働きを抑えると考えられているのが、抗酸化剤である(ビタミンEやベータカロチン等)
◇酵素
 体内で物質Aが物質Bへ化学変化するのを助ける役目を持つ蛋白質。つまり、体温、常圧で働く触媒ということができる。
◇好中球 
白血球の一種で、末梢血液中の白血球の中で最も数が多い。好中球の細胞質中の顆粒が、中性の色素で染色されることから、この名がある。好中球の役目は、細菌などの有害物の貪食(細胞質中に取り込み、消化してしまうこと)及び除去である
◇好中球減少症
 化学療法や放射線療法では、骨髄に影響が及び、血球やリンパ球が減少することがある。このうち、好中球と呼ばれる白血球の一種(上記)が減少すること。
◇高用量化学療法
 大量の化学療法剤(又は放射線)を投与して、一気にがん細胞を殺そうとする治療法。幹細胞移植と組み合わせる。
◇骨髄非破壊的造血幹細胞移植 白血病の治療として実施される造血幹細胞移植を、厳しい移植前処置を行わずに(つまり、骨髄非破壊的前処置)、実施する方法。移植後は、免疫抑制剤を使用して移植された細胞の生着を図り、また、残存する可能性のある腫瘍細胞は免疫的に除去していく。ミニ移植とも呼ばれる。

さ行

◇最大耐用量 薬の投与を受ける人が、副作用の面からギリギリ忍耐できるだけの投与量
◇サイトカイン
 免疫細胞には多くの種類があるが、これらの相互の情報伝達のために働いている(一つの細胞から分泌されて、他の細胞に効果を及ぼす)のがサイトカインである。物質的には、ポリペプチドである。

◇細胞遺伝学的効果判定 血液関連疾患に対する治療の効果判定の一つで、当該疾患に特徴的な異常染色体数が顕微鏡下にどの程度減少したかを見る判定法。判定法にはこの他に、血液学的効果判定(血球数の動向を見て判定する)と、分子遺伝学的効果(当該疾患に特徴的な遺伝子のmRNA量を判定する)がある。
◇細胞周期 おおざっぱに言えば、細胞はその細胞の機能を日常的に果たしている期間と、増殖する期間とを繰り返している(もちろん増殖すれば細胞数は増えるから、この言い方は厳密ではないが)。その繰り返しの1回りを細胞周期という。(注:このレベルのテーマについては「医学の知識塾」で詳細を扱う予定です)
◇細胞接着 
多細胞生物に於いて、隣り合った細胞同士がくっつくこと。細胞接着の機能が失われると、組織の形が保てず、また、細胞が離脱していくことになり、がん細胞であれば転移の可能性が生じる。細胞接着に働くものの一つが、カドヘリン(cadherin→E-cadherinの項目参照)である。
◇細胞毒性(の化学療法剤) 
正常細胞とがん細胞との大ざっぱな差(増殖速度の差のような)を見分けてがん細胞を攻撃する化学療法剤のこと。従って、正常細胞へのダメージが或る程度避けられない。(→分子標的薬を参照)
◇殺腫瘍ウイルス (oncolytic virus)  
正常細胞には感染せず、がん細胞にだけ感染し、増殖して、がん細胞を殺すウィルスのこと。
◇三次元原体照射(3D-CRT) 
放射線外照射療法の一つで、特殊なCTスキャンと、目標設定用コンピュータを使い、患部に正確に放射線をあてる方法。
◇自家移植 
患者さん自身の組織(骨髄など)の一部を採取しておき、化学療法や放射線療法を実施した後、同じ患者さんに採取しておいた組織を注入する(返す)技術。
◇ジェネリック製品 
有名な医薬品が特許切れになった場合、同一成分で安価な医薬品を、普通は別の会社が売り出したもの
◇術前補助化学療法(neoadjuvant therapy) 
外科手術の前に行われる化学療法のこと。外科的にがんを除去する前に、がんを縮小するのが目的
◇樹状細胞 
体内で異物を発見すると、それを取り込み、分解して、その異物に特徴的な小さな断片を、自分の細胞表面に出す役割を持つ。(免疫系細胞がこれを見て、どのような異物が侵入したのかを判断し、免疫系が作動する) ちなみに、樹状細胞の名前は、文字通り、四方八方に枝を伸ばした形から来ている。
◇腫瘍(細胞)減少治療 
病変中の細胞を減らすための治療(がん細胞について言うことが多い) = cytoreductive therapy
◇受容体 
→レセプター
◇償還 患者が自己負担したものを後で保険から支払いを受ける制度
◇静注 
静脈注射のこと
◇所見 
医者が使う用語で、単に、観察した結果という意味
(このような類の、こけおどしの医者用語にビビらないで下さい)
◇上皮 
身体の外側の表面(つまり皮膚の最外層)および内側の表面(つまり胃、腸等臓器の内側の袋状になっている部分の内側の面)を形成する、互いに密着する細胞から成るシート。上皮の下には基底膜、さらにその下には結合組織がある。
◇ステージ 
診断の時点でがんがどの程度拡大しているかを表現する言い方。(診断以降に拡大の程度が変わっても、ステージは変わらないことに注意) 混同しやすい用語に”グレード”がある(=> グレードの項目)
◇赤血球 
酸素を運ぶ働きをもつ血球 従って、不足すると貧血になる。
◇(医薬品)相互作用
 複数の薬を同時に投与した場合、お互いに他方の薬の効果を強めたり弱めたりする場合があること

◇相対リスク、オッズ比 二つの条件 A、Bのもとでそれぞれ発生するネガティブなことの発生率の比を取ったもの。例えば、手術して5年後に治癒した人 a人、死亡した人 b人、何もしなくて治癒した人 c人、死亡した人 d人とした場合、手術した場合の死亡の発生率は b/(a+b)であり、何もしなかった場合はc/(c+d)である。この場合、{b/(a+b)}/{c/(c+d)}を相対リスクという。
一方、オッズ比は b/aと c/dとの比のことであるが、上記の相対リスクの式から分かるように、bや d(ネガティブなことの発生数)が小さい場合、オッズ比と相対リスクとは類似の値になる。

◇測定可能な病気 がんについて言う場合、文字通り、サイズなどを測定可能なケースの病気のこと。例えば固形がんの場合、一定値以上の大きさで、正確に測定可能なサイズがあるケースのことを言う。(がんの種類により尺度は異なる)

た行

◇耐性 薬について言われた場合は、その薬が効かなくなること。例えば、がん細胞が或る抗がん剤に耐性を持つようになった、というのは、その抗がん剤が効かなくなったという意味。
◇多環芳香族炭化水素 
辺を共有した多角形(主として六角形)がいくつかつながった形をした、炭素と水素だけからなる化合物のこと。
(純粋に化学のテーマですので、いずれ「医者にまけない知識塾」で扱います)
◇知見 
所見と同様な医者の用語で、見たり聞いたりして得られた知識のこと。
◇直腸診(DRE) 
前立腺がんの診断法の一つで、直腸から指を入れて、前立腺に触れ、大きさや表面の状態を知ろうとする方法。
◇デスモソーム(接着斑) 
隣り合った細胞が接着するための構造の一種。両方の細胞の細胞膜の間に1枚の円形をした板があり、さらに、その板と同じ大きさの板が両方の細胞膜のそれぞれ細胞質側にあって、計3枚の板が押しつけ合ってくっついている形。
(図解でないと説明しにくいです。図解は細胞生物学や組織学の参考書に載っています)
◇デポ剤 
薬の有効成分が非常にゆっくりと(数ヶ月とか)放出するように工夫した注射剤。皮下注射か筋肉注射で使用する。
◇テロメア、テロメアーゼ 
染色体の両端に存在する、特殊なDNA領域をテロメアと言い、少数のヌクレオチドの同じセットが何回も繰り返されている。正常の細胞では細胞分裂のたびにテロメアが短縮するため、細胞分裂の回数には限度がある。テロメアーゼは、テロメアを修復する酵素で、通常は働かないが、これが働くと、テロメアが短縮されず、無限に細胞分裂が可能になるとされる(がんの発生との関連性が議論されている)。
◇点変異
 染色体DNAのどこか1個所だけのヌクレオチドが正常のDNAと異なっている状態。結果として対応するアミノ酸が正常と異なるものになる場合がある。
◇凍結融解壊死療法(cryoablation) 
医者によっては単に「凍結療法」と言う者もいる。針の内部に細いパイプが仕込まれており、ここから高圧ガスを(針の内部に)噴出させることによりマイナス185度の超低温とし、この低音によって腫瘍細胞を殺す。凍結した部分がMRIで明瞭に見えるので、ラジオ波焼灼法よりも正確な処置が可能とされる。慶応大病院で実施中(→リンク集 参考書籍
◇同種移植(allogenic transplantation) 
例えば骨髄移植の場合、免疫型が適合する人(患者さんではない人)の骨髄の一部を採取して、患者さんに移植すること。(←→自家移植)
◇導入療法 
本格的な治療を実施する前に、より治療効果を高めるために実施する治療のこと。
◇投与
 医薬品を患者さんに注射したり、服用してもらうこと。投げ与えるとも読めるので、患者の立場からは嬉しくない響きがあるように思えるが、もともとはそんな意味はないらしい。
◇突然変異型 (野生型の項目を見てください)
◇ドナーリンパ球輸注(DLI) 他の人のリンパ球を患者さんに注射し、そのリンパ球にがん細胞を攻撃させる治療法。

な行

◇内因性括約筋不全 => intrinsic sphincter deficiency(ISD)
◇ヌクレオチド DNAの鎖を構成する一つ一つの単位(鎖の環と考えればよい)
◇脳血液関門 脳の血管と脳細胞との間には,血液中の特定の物質だけが脳細胞に入れるようにする仕組みがある(脳細胞に危険な物質が入らないようにするため)。この仕組みを、脳血液関門という。
医者の中には、脳全体を取り巻く単一のバリアのようなものであると誤解している者がいるが、そうではなく、血液と個々の脳細胞との間にあるミクロの仕組みである。

は行

◇バイアル 注射用の薬を入れる透明な容器。フタがゴム製になっており、そこから直接注射針を刺して、薬を溶かしたり、注射筒に吸い込んだりが可能である。
◇ハザード比 
有害なことが発生する程度を示すための統計学的な概念。有害なことが時間経過に従ってどの程度発生してくるかを、ハザード率(指数関数のパラメタ)で代表させ、2つのグループの間の比較をハザード比(両者のハザード率の比)で示す。ハザード比の大きいほうのグループのほうが有害なことが起きやすいことを示す。
◇白血球 
細菌やウィルスをやっつける働きをもつ血球。従って、少なくなると感染症になるリスクが高まる。
◇白血球アフェレーシス、白血球除去療法 
白血病のケースで、白血球が高度に増加した場合に行われる治療で、透析装置に似た装置を使って白血球を少なくすること。
◇発現 
特定の遺伝子が働いて、その結果を現すこと。例えば、細胞表面のレセプタをコードしている遺伝子が発現するというのは、その遺伝子が働いて、対応するレセプターが細胞表面にできることを意味する。
◇微小残存病変 
(→MRDの項目)
◇肥大 
細胞の数が変化せず、個々の細胞のサイズだけが大きくなること、その結果、その細胞から成る組織が大きくなることを言う。
◇複素環アミン 
複素環というのは、骨格が炭素以外の元素を含む環でできている化合粒のこと。この環のどこかにアミノ基が入っているものを複素環アミンという。
(純粋に化学のテーマですので、いずれ「医者にまけない知識塾」で扱います)
◇部分寛解 
腫瘍は50%以上縮小してはいるが、消失しないまま4週間以上が経過している状態。
◇プラスミド 
もともと細菌の細胞に含まれている、染色体ではない、小さなDNA鎖である。遺伝子治療の方法の一つに、特定のプラスミドにヒトの遺伝子を組込んで(プラスミドのDNAにつなげて)がん細胞に入れるというやり方がある。
◇プラセボ 
臨床試験で新薬の有効性を確認する場合、当該新薬を服用するグループと、全く効果がないものを服用するグループとに分けてその結果を比較する。後者の、全く効果がないものをプラセボと言い、外観、味等で新薬と見分けがつかないように作成する必要がある。
◇フルオロキノロン系抗菌剤 
ペニシリンやセファロスポリン等の抗生物質と同様に、細菌による感染症の治療に使用される薬のグループである。フルオロキノロンに対しては、かなり長い間、耐性菌(フルオロキノロンが最初は効いていたが、その後効かなくなった細菌)が少ないと言われていたが、次第に耐性菌の出現が報告されるようになっている。
◇ブレークスルー痛(突出痛)
=> breakthrough pain
◇プロテオソーム 
細胞内の信号伝達用の蛋白質を分解する役割を持った特殊な蛋白質。ユビキチンと協同して働く。何らかの原因でプロテオソームが過度に働くと、がん抑制遺伝子(の蛋白質)が分解されて、がん発生の原因となると考えられている。
◇分子標的薬 
がん細胞に特異的、あるいは過剰に見られる分子に結合することによってがんを抑える薬。がん細胞を強力に殺すことは必ずしもない(がん細胞に静かにしておいてもらえば十分であるとの考えかたもある)が、正常細胞へのダメージは極めて小さいとされる。
◇ペグ化 
物質 Aをペグ化する、というのは、ポリエチレングリコールという化合物を、その物質 Aに化学的に結合させること。ペグ化の目的は、もとの物質の抗原性をマスクすることである場合が多い。例えば、リポソームをペグ化する場合もそうである。
◇ボーラス投与 
短時間で大量の容量の注射をする投与方法(参照 => infusional投与)
◇補助薬化学療法(adjuvant therapy) 
外科手術で取り残されたがん細胞を全て殺すことを目的として実施される化学療法

ま行

◇マーカー どれかの臓器に腫瘍があると、その臓器に特有の成分が血液中に増加することがあり、このような成分のことをマーカーという。但し、その多くは正常組織でも作られているものであり、マーカーが多少上昇したからといってがんがあるとは限らない。(医者は教科書的にマーカー上昇=がんと決めつけることが多いですから、ここでも医者任せにしないで、患者さんや家族さんが適切に判断することが大切です)
◇前向き試験 一定の明確な目的を持って、計画し、実行する臨床試験のこと(←→後ろ向き試験)
◇ミニ移植 => 骨髄非破壊的造血細胞移植
◇無事故生存率 治療後一定の期間が経過した時点まで無事故(事故というのは、再発、増悪、理由を問わない死亡)で生存している人の比率
◇ムンテラ もともとはドイツ語である「ムント」(口)と「テラピー」(治療)とをくっつけて作った略語。患者や家族に対する病状の説明のこと。(このような略語(隠語に近い)を医者同士の間で使っていること自体、日本の医者の、患者に対する蔑視・軽視を明瞭に表している.。また、医者の責任逃れのため、実際よりもだいぶ重い症状であると説明することが多い)
◇メタアナリシス 過去にそれぞれ別個に実施された臨床試験のデータを一つにまとめ、統計的な分析を行って何らかの結論を引き出そうとする研究方法のこと。
◇メトロノーム的治療(metronomic therapy) 化学療法剤を、投与と投与の間の時間をを短くして、頻繁に投与する治療法。 1回ごとの投与量は少なくすることが多い。 この方法のほうが、副作用が少ないと主張する医者もいる。

や行

◇野生型(wild type) 野生集団(何も手を加えてない集団)の中で最も高頻度にみられる型のこと。普通は正常型と同じ意味である。野生型の反対が(突然)変異型である。
◇有意差 統計学の用語で、「有意差がある」というのは、その差が生じたのは偶然ではなく、おそらく実際に差があるだろう、という意味。つまり、多数回繰り返しても、ほとんどの場合で差があるだろうと(確率的に)予測されるような差である。非常に簡単に言えば、差が大きいほど有意差であると認められやすい。
◇優先審査(Priority Review)
 FDAが、治療薬のない分野の新薬に与える、審査期間の短縮の約束。通常の審査(Standard Reviewという)ではFDAが結論を出すまでの目標期間がNDA提出後10ヶ月(実質的には1年半程度は必要なようである)となっているのに対し、優先審査では目標期間6ヶ月で結論を出すという約束をしてもらえる。

◇遊離組織移植(free flap procedure) 周囲の組織から完全に切り取った(血管も含めて)組織片を、遠くの個所へ移植する方法。形成手術で使用する技術で、微小血管の連結が可能になって発展してきた技術である。
◇4価ワクチン
 4種類のウィルス由来の抗原が含まれているワクチン。つまり、それら4種類のウィルスに対する予防効果が期待される。

ら行

◇臨床試験 新薬の効果や安全性を確認するため、ヒトに投与して行う試験。おおざっぱに言えば、Phase Iで安全性、PhaseIIで小規模な有効性、Phase IIIで本格的な安全性・有効性の確認をする。
◇レジメン 
とくに、複数の薬を併用する治療法の場合、その治療法における薬の組み合わせ、用量、投与スケジュールを記述した計画書のこと。有名なレジメンには、固有名がついていることもある。(直観的に意味が分かりやすくなるよう、mougitaroは(併用)メニューと書いています)
◇レセプター
 細胞に存在する、”穴”のような構造を持った蛋白質。この”穴”は特定の物質に合った形をしており(つまり、レセプターは無数の種類がある)、その特定の物質が”穴”にはまると、細胞が何らかの変化を起こす。逆に、この”穴”にニセ物をはめてしまえば、上記の特定の物質の作用を阻止できる。多くの医薬品が、この”ニセ物”の役割をする。

◇レトロウィルス 遺伝情報をRNA上に持っており(従って、RNAウィルスの一種)、このRNAが「逆転写酵素」(別項目参照)もコードしており、自分自身のRNAをDNAに逆転写して宿主(感染された細胞)のDNAに組込む能力を持っているウィルス。DNAに組込まれたウィルス(のゲノム)は宿主細胞が増殖するのと同時に増殖していくわけである。レトロウィルスの中には、AIDSや白血病の原因となるものがある。

『英語』

A

◇androgen deprivation(アンドロゲン除去療法) 前立腺がんの治療のため、身体内にアンドロゲンが存在しないようにする治療法
◇APC 
がん抑制遺伝子の一つ。APCが発現した蛋白質が、細胞増殖に働く蛋白質を抑える働きをする。従って、APCが変異すると、がん発生の一因となる。
(このあたりについて、「医者にまけない知識塾」で説明の予定にしています)
◇apoptosis 
傷害を受けたり、不要になった細胞が、自らを殺していく仕組み。apoptosisが働かないと、がん発生のリスクにつながる。
◇aptamer 
一本鎖のRNAやDNAで、特定の分子(蛋白質など)に特異的に結合する性質を持っているもの。例えばがんの発生に関与する蛋白質に結合するaptamerであれば、そのがんの発生を抑える効果を期待できる。

B

◇B細胞 リンパ球の一方の大分類(他方はT細胞)で、骨髄(Bone Marrow)の幹細胞から、胸腺と無関係に分化してできた細胞。抗体を産生する形質細胞の前段階の細胞である。
◇B症状 ホジキン病で、明確に現れた症状群のこと。(→医学の知識塾
◇BCRA2遺伝子
 ヒトの第13染色体上にある遺伝子で、BCRA1遺伝子と共に、がん抑制遺伝子である(これらの遺伝子が働いて生成された蛋白質が、DNAの損傷を修復することにより、がんの発生を防ぐ) ちなみに、遺伝子と、それらが働いて生成される蛋白質とは、同一名称を使用するのが一般的。
◇BCS 
乳がんでの、乳房温存手術の略称。
◇Blood brain barrier disruption 脳血液関門(別項目参照)を何らかの方法で一時的に開かせる(その結果、特定の化合物(一部の抗がん剤など)が関門を通過できるようになる)こと。開かせると行っても、分子的なレベルの話しであり、よく使われるのが、マンニトール溶液を注射し、その浸透圧を利用する方法である。
◇breakthrough pain(突出痛) いつもは鎮痛薬で痛みが抑えられているのに、突然起きてくる、短期間、又は、間歇的な痛みのこと。

C

◇CA125 卵巣がんの腫瘍マーカーということになっているもので、物質としては、血液中に微量に存在する糖蛋白質。但し、人によってはがんがなくても値が高いことがあり、とくに早期がんの発見には使えないとされている。
◇caspase-3 
細胞のapoptosisには、カスパーゼ・プロテアーゼ経路という、apoptosisへの信号を受け渡ししていく一連の酵素のつながりがあり、caspase-3はそれら酵素の最終段階にある酵素である。つまり、活性化されたcaspase-3が、実際に細胞内のいろいろな成分を分解して、その細胞を死滅させる。
◇CEA(がん胎児性抗原) 
大腸がん診断のための腫瘍マーカー。但し、現実には他の腫瘍マーカーと同様に、がんが無くても陽性になることがあり、治療の効果判定に使用されることが多い
◇c-kit 
消化管の運動を指示する「カハールの介在細胞」に発現する遺伝子。この遺伝子が発現して作られる KIT蛋白質は、カハール介在細胞の増殖因子のレセプタである。消化管間質腫瘍(GIST(ジスト))のケースの 90%では、c-kit遺伝子の変異がみられる(その結果、カハール介在細胞が際限なく増殖することになる)。
◇CME(Continuing Medical Education) 
医療従事者が、最先端の知識を維持していけるようにという目的で構築されている卒後教育の仕組み。
◇concurrentな療法 
いろいろな療法・化学療法剤を同時に実施するやりかた(←→sequentialな療法)
◇consecutive patients 
同じ治療を同時に多数の患者さんに実施するのでなく、一度には一人だけの患者さんで治療し、次々に別の患者さんで治療をしていく場合の言い方
◇CpG island(=CG island) 
染色体DNAには、ところどころにcytosine(つまりC)のヌクレオチドと、guanine(つまりG)のヌクレオチドとがつながった構造が高頻度に集まっている個所があり、そのような個所をCpG islandという。日常的に発現している遺伝子のプロモーター領域にはCpG islandがそのままになっており、通常は発現していない遺伝子のプロモーター領域のCpG islandは塩基がメチル化されていることが多い。
(このあたりについては、いずれ医者にまけない知識塾で取り扱います)
◇crossover試験 
臨床試験のやり方の一つ。2つの治療法の効果を比較する場合、2つの治療法を、時間をずらして同じ患者グループに対して実施するやり方。
◇CRP試験(=C反応性蛋白試験) 
血液中の特殊な蛋白質の量を測定して炎症の程度を調べる試験(値が高ければ身体の何処かに炎症があると考える)
◇cytoreductive theray(サイトレダクティブ セラピー)
=> 腫瘍細胞減少治療 
(医者はこのような英語単語を患者に対して、これみよがしに使うことがありますが、意味を知れば何の難しいこともありません。私たちは医者がこのような単語を使った場合、反発すべきであると思います)

D

◇D&C (dilation and curettage) 子宮の入り口を拡げ、特殊な器具を入れて、子宮内面の粘膜を掻き取る技術
◇depot injection =>
デポ剤
◇donor lymphocyte infusion(DLI) =>
ドナーリンパ球輸注
◇dose dense chemotherapy(ドーズデンスケモセラピー) 
一定の量の化学療法剤を、短期間に集中して(投与の間隔を短くして)投与する方法。(高用量化学療法とは異なり、化学療法剤の量は一般的には多くしない)
◇downregulate
 ”減産調整”とか訳すことがあるようだが、要するに抑制すること。例えば、「A遺伝子の発現を downregulateする」(その遺伝子があまり発現しないようにする)のように使用する。

◇DRE(digital rectal examination) => 直腸診

E

◇E-cadherin cadherinグループの一つ。(cadherinとは、細胞表面にある糖蛋白質で、外側では隣の細胞や細胞外蛋白質と、内側では自分の細胞の他の蛋白質と相互作用をしている。免疫的な性質等から E-, P-、N-の3種類に分類される)
◇EGFR(上皮成長因子レセプター)
 細胞表面にある、EGF(上皮成長因子)に対するレセプター(別項目参照)である。EGFがEGFRに結合すると、その細胞の増殖の引き金が引かれることになる。イレッサはこのレセプターを占拠することで効き目をあらわす。(詳細→医学の知識塾

◇ER エストロゲンレセプタの略称。PR(プロゲステロンレセプタ)と共に、乳がんの分類に使用される言葉。
◇event free survival(EFS) => 無事故生存率

F

◇failure それまで実施していた治療がうまくいかなくなる現象が現れること。例えば、前立腺がんの場合に、PSA値が再び上昇し始めることをPSA failureという。
◇fast track指定 
治療薬のない分野の新薬の開発に対して与えられる、FDAとの密接な連携のチャンスのこと。fast trackに指定されると、FDAとの頻繁なやりとりによるFDAの意向の開発計画への組込み、臨床試験データ提出上の便宜(分割提出等)、等が可能になる。
◇FDA
 米国厚生省の部局の一つで、医薬品の認可や規制を担当しているところ。

◇first-line therapy 或る疾患を治療するために最初に実施される方法や薬のこと。この方法であればほぼ有効で安全な治療ができる、というような含みがある。
◇free flap procedure =>
遊離組織移植

G

◇GFPレポーター遺伝子 GFPとは、発光クラゲが出す緑色の蛍光のもとになっている蛋白質。この蛋白質の遺伝子を特定の(発現を調べたい)遺伝子のプロモーター領域やエンハンサー領域の下流に組み込んだものをGFPレポーター遺伝子という。従って、発現を調べたい遺伝子が実際に発現する状況になると、GFPレポーター遺伝子も発現して、GFPが産生され、緑色の蛍光を発する。これを外部から観察する。
◇GM-CSF(顆粒球・マクロファージコロニー刺激因子) 
主として活性化されたT細胞から分泌され、免疫担当細胞の分化・成熟を促進させる特殊な蛋白質
◇GP 
一般開業医のこと。

H

◇hazard rate リスクが増えるか減るかを相対的な比率で表した数値。例えば、或る治療を行って hazard rateが 1より小さいという場合は、その治療によってリスクが低下したことを意味する。
◇HER2/neu 
特定のがん(乳がんなど)で過剰に発現(細胞上に現れる)ことがある蛋白質。乳がんの場合、ハーセプチンでの治療対象となる。
◇HRT(ホルモン置換療法)
 閉経期の女性の更年期障害は、エストロゲンや黄体ホルモンが分泌されなくなることから生じるので、これらのホルモンを外部から補充して更年期障害を治療しようという療法。
◇hypermethylation(過剰メチル化) 
染色体DNAで、正常ではメチル化されていない領域が、異常にメチル化されている状態。腫瘍細胞のDNAで見られることが多い。

I

◇IND(Investigational New Drug Application) 新薬についての臨床試験を実施しようとする場合、臨床試験開始の承認をしてもらうため、動物実験等のデータを添えて、FDA(別項目参照)に申請書を提出する必要がある。この申請のことをINDという。
◇infusional投与(=持続点滴) 
点滴で長時間かけて薬を投与すること。
◇in situ
(インサイチューと発音する) 生体の「何か」を研究する場合、その「何か」が本来あるべき場所に置いたまま研究する(実験)という意味。例えば、酵素を研究する場合、その酵素が含まれる細胞の中に入っている状態そのままで実験するとき、こういう。

◇intravenous pyelogram(静脈性腎盂売上高造影) 静脈に造影剤を注射して、腎臓や膀胱の X 線写真を撮る技術
◇intrinsic sphincter deficiency(ISD=内因性括約筋不全)
 膀胱の括約筋(尿が排出されるのをコントロールしている筋肉)の機能が低下していること。尿がもれる原因の一つ。

◇in vitro 試験管内等ガラス容器の中での(実験)という意味
◇in vivo in vitro(上記)に対応する言葉で、生体内での(実験)という意味。
◇isoform
 或る蛋白質Aと同じ機能を持っているが、別の遺伝子によってコードされている蛋白質Bのこと。AとBとの間には若干のアミノ酸配列の差があることもある。

J

K

◇Karnofskyスケール 患者の全身状態のよしあしを、医者がみて点数をつけるシステム。0%から100%まで、10%ごとに11段階のどれかを選ぶ。(100%が最良の状態ということになっている)

L

◇leukapheresis => 白血球アフェレーシス
◇locoregional 局所は局所でも、或る程度の広がりをもった局所、という意味。

M

◇maximum tolerated dose(MTD) => 最大耐用量
◇measurable disease
=> 測定可能な病気
◇Medicaid
 米国政府が運営している、貧困層のための医療保険制度
◇Medicare 米国政府が運営している、高齢者のための医療保険制度

◇MRD(微小残存病変) がんの治療後、正常な細胞の集団の中に残存する、極めて数の少ない腫瘍細胞のこと(普通の顕微鏡で観察しても、視野の中に見つけることができないほどに少ないといったレベル)
◇MR diffusion画像技術
 MRIの技術の一つで、体内の水分の移動を知るために使われる。多く使われ始めているのは、脳梗塞の非常に早い段階での診断用。装置としては、従来のMRI装置を使用可能であるが、特別な解析用ソフトの追加が必要である。

N

◇NDA(New Drug Application) 或る新薬について、臨床試験データを中心として、規定のデータを全て揃え、FDAに対し、その新薬の認可(米国の場合、販売許可のこと)を申請する。この申請のことをNDAと呼ぶ。NDA申請から認可までは、通常(加速審査でない場合)1年半程度を必要とする。
nephron sparing surgery 腎臓がんの手術のうち、腎臓の一部を残す手術のこと。(ここでの nephronは、いわゆるネフロンのことではなく、腎臓のこと)
◇node-negative リンパ節陰性のことで、がんが周辺のリンパ節に拡大していない状態のこと。
◇nonmyeloablative conditioning(骨髄非破壊的前処置) => 骨髄非破壊的造血細胞移植

O

◇off-label use 米国では、医者が医薬品を、認可を得た使用目的以外に使用することが可能で、そのような使用方法のこと。
◇orphan drug
 米国に患者数が少ない疾患の治療薬(FDAがorphan drugであると認定すると、認可や独占権の面で優遇措置がある)

P

◇p53遺伝子 有名ながん抑制遺伝子。但し、がん抑制の働き(DNAが損傷した場合に細胞サイクルを停止させる。そして、その間にDNAが修復される)を持つのは野生型のp53遺伝子であり、変異すると(つまり変異型になると)がん抑制機能はなくなる。現実に、p53遺伝子はほとんどのがんで変異しているとされる。
◇photodynamic therapy(PDT) 
がんの治療法の一つ。まず光増感剤を注射する(この薬にはがん細胞に集まる性質がある)。次に、光増感剤が集中している組織(つまりがん組織)に光を当てる。すると、光増感剤が活性化して(いわば、いきなり抗がん剤に変化して)がん細胞を破壊する。

◇PR
プロゲステロンレセプタの略語。ER(エストロゲンレセプタ)と共に、乳がんの分類に使用される言葉。
◇PSA(前立腺特異抗原)
 (正常でも)前立腺で特異的に作られる蛋白質。前立腺に異常があると、血液中のPSA量が増えることがあり、これを利用して前立腺がんのマーカーとして使う。
◇PSA density 
PSAレベルの測定値を、前立腺の体積で割った値。
◇PSA倍加時間(PSA doubling time) 
血液中の PSA濃度が 2 倍になるのに必要な時間。つまり、この値が短いほどPSAが急速に増加しているということ。医者の中には、( )内の英語用語を使う者もいます。
◇PUVA療法
 乾癬やがんのような、高速で皮膚細胞が増殖する疾患の治療に使用される療法。Psoralenを服用した後、UVAという種類の紫外線の照射を受けると、Psoralenが集まった異常な皮膚細胞に紫外線が強く働き、その細胞を殺すことを利用している。

Q

◇qwk 医薬品の投与スケジュールを記述するときに使う記号で、qwkとは、毎週(1回)という意味(q=quaque(各、毎)、wk=week)で、q1wkと書くこともある。同様に、q2wk、q3wk、q4wk、……という書き方をする(それぞれ、2週間に 1回、3週間に 1回、4週間に 1回、……という意味)

R

◇recombinase 2本の長いDNA鎖の間で、短いDNA断片を交換する反応を触媒する酵素。とくに、母方、父方由来の両染色体の相同部分での交換を触媒する酵素のことを言う。
◇relative survival rate 当該の病気以外での死亡をカウントしないで計算した生存率のこと。
◇resection margins
 手術で切除した組織の一番外側の縁のこと。がん組織の切除の場合、縁のどこかに病理学的にがん細胞が見つかれば positive、見つからなければ negativeな resection marginsであると言う。(ちなみに、positiveとnegativeとの中間、つまり、縁にはがん細胞が認められないが、縁と、内側にあるがん組織との間の間隔が狭い場合、closeという)
◇RET遺伝子
 或る一つの受容体型チロシンキナーゼ(つまり、RET receptor tyrosine kinase)をコードしている遺伝子。原がん遺伝子の一種で、変異をするとがん発生のリスクが高まる。
◇retrograde pyelogram(逆行性腎盂造影: RP) 尿管にカテーテルを通し、このカテーテルを使って、腎盂へ造影剤を注入して腎盂部分の X 線写真を撮る技術

S

◇salvage therapy がんが再発したり、現在実施している治療が効かなくなったりした場合に実施する治療のこと。
◇second-line therapy
 first-line therapy(→当該項目参照)がうまくいかなかった場合に限り実施される治療方法や薬のこと。
◇sequnetialな療法
 いろいろな療法・化学療法剤を次々に実施するやりかた(←→concurrentな療法)

T

◇T細胞 リンパ球の一方の大分類(他方はB細胞)で、骨髄で産生された幹細胞が胸腺(Thymus)に移動、そこで成長してT細胞となる。
◇TNM分類 がんの進行度を表現するための方法の一つ。T(がんの大きさ、進展度に応じて小さい添字をつける(以下同様))、N(所属リンパ節への転移の有無)、M(遠隔転移の程度)を組み合わせて表現する。
◇transaminitis 肝臓の酵素 ALTや ASTの血中レベルが上昇する症状
◇TTP(Time To Progression=増殖抑制時間)
 或る治療でがんの増殖が抑制されていたのが、再び増殖を開始するまでの時間

U

V

◇vaginal cuff 子宮膣部
◇VSV(Vesicular Stomatitis Virus)
 昆虫や一部の哺乳類に感染するRNAウィルスの一種。ヒトには無害とされる。2000年頃から、殺腫瘍ウィルス(別項目参照)候補の一つとして注目されている。

W

X

Y

Z

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